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システマティックレビューとメタ解析の違い

両者は同義として用いられることもありますが、意味合いは異なります。

ステマティックレビューとは

定義としては、特定の課題に答えるために、明確に定義された手法によって、系統的で網羅的に知見を収集・評価する方法のことを指します。Wikipedia英語版を要約すると、

「システマティックレビューは、明確に提示されたトピックに対し、そのトピックの研究を特定・評価する手法を用いて、学術的に根拠に基づき統合すること」と説明されます。

系統的・網羅的というのは、参照した文献に抜け漏れがない、偏りがない、中立的な立場で判断されるという要素が求められます。またシステマティックレビューには、定性的な評価を行う質的なレビューと、定量的な評価により値を統合する量的なレビューが存在します。

メタ解析とは

定義としては、特定の課題に答えるために、収集した指標を統合する解析手法のことを指します。Wikipedia英語版をによると、「メタ解析とは複数の定量的な研究結果を統合したか統計解析のこと」と説明されます。

メタ解析の解析結果は定量的であることが必須ですが、一方で必ずしも根拠に基づいた評価が必要ではないことが違いと言えます。なお、文献の解析結果の数値をそのまま用いるメタ解析に対して、元データを使用し再解析を行う研究を特にプール解析と呼んで区別することがあります(より信頼度の高い結果が得られるとされます)。

おまけ:歴史

Wikipedia英語版によると、1904年に英国の医学雑誌(British Medical Journal)に、イギリス、インド、南アフリカの腸チフスの予防接種に関する複数の研究データを集約した論文が掲載されたことがはじまりだそうです。

まとめ

ステマティックレビューは文献の収集方法、メタ解析は解析手法のことを指します。なので、両方に該当する文献もあれば、どちらか片方に該当する文献も存在するということです。なおメタ解析と定量的システマティックレビューを同義と紹介している情報源もあります。