Hazy Ideas

日々の勉強の気づきを書き出しています

最近の思うこと(博士課程)

最近のもやもやしてることを記録しておく。

 

博士課程○年目を迎え、数ヶ月。修士の時には見えなかった、アカデミックの現実的な部分、つまり明るいことだけじゃないということがよく見えてきた。その上で、会社員時代より長時間、土日祝も関係なく働き、研究費がないのでポケットマネーからどんどん投資している今。個人所有できる機械系(PC関連含む)への出費は大きいし、それ以上にバイオ系にかかる費用はすごく大きい(まだ私費で賄っているわけではないけど、時間の問題か)。試薬いくつか分の金額でハイスペックPCが買えてしまう。高すぎて、自分がバイオ研究をずっと続けるのは難しいだろうなと最近思う。これだけ大きな額を使っても、出てくるデータがよくなければ、投資の価値があるのかってなる。そして、これだけ自己投資してまで、本当に研究者になりたいのかという気持ちが心にある、というのが本音。

 

今の時代は、短期間で結果を出さないといけないし、目に見えて役に立つ(もしくは金になる)成果が求められている。研究者に限らず、他の業界でも、研究開発に時間をかけられなくなっていると思う。

公務員的な雑務も多い。「会社員と違って好きなことできるんだから」なんて思われるかもしれないが、実際には役に立つ研究にしかお金がつかないのだから、「好きなこと」はできないのである。歳とってポジションとればできるかと思いきや、その頃にはマネジメント層になっていて、運営に時間を取られる。

 

ある本で読んだが、博士課程の人数に対して、アカデミックのポストは10分の1しかないらしい。つまりほとんどの人は違う道を探さざるを得ないわけである。もともと民間出たし、博士課程は経過だと思っているので、そこはいいのだけれど、博士の内容と関連した仕事を見つけるのは分野的に難しいかもしれない。もしかしたら運が良ければ、卒業後のポスドクは、1−2回くらいはポストが見つかるかもしれないが、決断を先送りにしているだけで、30代半ばで後戻りできない状況になってキャリアが止まる可能性がある。正直楽観的ではない。

 

とはいえ、実験や研究のことを毎日考えている今の生活は苦ではないし、楽しい。学生の身分だから、気楽な面はあるけども。コロナ でなければ、もっと外に出て、他の研究者の話を聞きたい。新しい知見を求めることを続けられるのなら、それほど楽しいことはないだろう。基礎だけでなく、応用として社会実装の土台を作るような仕事もいいだろう。

 

昔OB訪問をした知っている方で、「博士課程で研究しても環境対策で政策を動かすことはできない」と言って民間の調査会社に行かれた方がいた。卒業までに自分の軸を再設定しなければ。あと1年は研究しながら、いろんな可能性を含めて就活をするつもり。