Hazy Ideas

日々の勉強の気づきを書き出しています

割合、比、率の違い

何かを数字で表したり、比べたりするときには割合・比・率が使われますが、その違いを区別している人は少ないのではないでしょうか? 今回は、この3つを解説します。

〇何を表すもの?

これらの言葉は、何かの大きさを表す指標ですが、算出方法がこと異なります。実は一般用語などでは、これらの言葉が混ざっていたり、間違っているけども慣用的に使われたりしている言葉などがあります。論文などを読む際は、言葉の定義に注意する必要があります。

〇割合とは

割合は、全体の中で対象がどの程度の部分を占めているかを表します。英語ではproportionです。数式では、割合=A/(A+B)となります。実用的には、たとえば売り上げのシェアなどは、割合としてシェア〇〇%など使用されます。

〇比とは

比は、あるものと別のものを比べるために使う指標です。英語ではratioです。数式では、比=A/Bで表されます。2つのものを比べるため、2値だけであることが特徴です。

〇率とは

率は、単位時間あたりにどの程度ある事象が起こるかを表します。率は分母に時間が来ることが特徴です。英語ではrateです。数式では、事象Aが時間Cの間に起こる状態を、率=A/Cと表します。

〇まとめ

さて解説してきましたが、日常会話や専門分野の慣例的には上記からずれた使用方法もよくあります。英語の意味も、はっきり区別されているわけではないでしょう。

疫学分野でも、罹患率incidence rateは「率」だけど累積罹患率cumulative incidenceは「割合」、有病率prevalenceは「割合」だけど死亡率mortality rateは「率」、致命率fatality rateは使い方によって「比」になったり「割合」になったり…、と紛らわしいことになっています。

上記3つを概念的に理解した上で、用いられる用語がなにを表しているか、考えてみることが大事です。