Hazy Ideas

日々の勉強の気づきを書き出しています

この歳になると誰にも責められない

頭を整理しようと考えていたときのテーマ2つ目。

 

大学院を離れる決断をした。理由としては、

・ご時世もあって思うように研究が進まず、博士として十分な資質があると思えなかった

・指導教員からラボを追い出されたため、ポスドク時に発表したかったサンプル・データがなくなった

・自分の名前で研究費を取れておらず、研究者としての才能を感じていなかった(代筆はあったが、人の名前で取ったものなので実力とは言えない)

ポスドクを続けた先、自分にアカハラをした教員のような、器量の狭くどこにも行先のない人間になるという危機感があった

がある。

 

離れる決断は、友人には相談したが、大学の人には報告のみした。相談段階で話していたら、引き止められていただろうし、それだけ人手不足で研究業務ができる人がいないからだ。もしポスドクを選んだとしても、書類と調整業務ばかりで、研究業績は上がらなかっただろう。

 

理由はどうあれ、仕事を途中で投げ出して逃げるわけなので、もっと怒られると思っていた。罵倒される覚悟はしていた(アカハラ教員にはされたが)。しかし、周りの先生方からは「それはそういうものなので仕方ない」「離れるほうがまっとうな道です」と言って送り出されるだけだった。

 

また友人や元同僚には、x年前「研究をするために会社を辞めた」と伝わっている。中には「あいつは研究者を目指している」と思っている人もいただろうし、実際に心の一部では目指していた。そんな人たちから、「そんな簡単に夢をあきらめるのか」「短期間で辞めたら、次からもそうすることになる」と言われるのではないかと思っていた。実際には、誰からも言われず、「お疲れさま」「次のところでも頑張れ」という言葉だけだった。

 

覚悟していた批判の声は、自分の心の中から出てくる不安であり、他人はそうは思ってないものなのかもしれない。もちろん、直接は言いづらかっただけかもしれないし、批判するほど私に興味がないという裏返しかもしれない。

 

ただこの歳になると、誰にも指摘されなくなるとは思った。相手があることには、相手の立場も考えて、言動を考えなければならない。自分の場合、即断すると大体後悔するので、1日以上寝かせたほうがいい決断になることが多い。仕事のスピードを落としてでも、連絡は正しい順序を通した方がいいと学んだ。

歳を重ねるごとに、取り返しがつかなくなっている気がする。