併記するようなものではないが、名前が紛らわしいのでここで整理しておく。
〇Prevalence ratioとは
有病率比、より正確に言うならば「有病割合比」である。論文などではPRと略されることがある。
(割合については:割合、比、率の違い)
とある母集団から抽出したサンプルにおいて、ある現象が起こる確率を考える。
暴露 非暴露 合計 症例 A B A + B 対象 C D C + D 合計 A + C B + D
このとき、
曝露群の有病率=A/(A + C)
非曝露群の有病率=B/(B + D)
Prevalence ratio = 曝露群の有病率/非曝露群の有病率 = [A/(A + C)] / [B/(B + D)]
ここまできて、気づく方もいるかもしれないが実は計算式がリスク比と同じである。
(リスク比については:オッズ比、相対リスク、ハザード比の違いは?)
〇Rate ratioとは
日本語では率比と訳される。論文等ではRisk ratioはRRと略される(相対リスクRelative riskも)。
率比Rate ratio = 曝露群の発生率/非曝露群の発生率
となる。式が同じなことに気が付くだろう。
〇Prevalence ratioとRate ratioの違いは
この2つの違いは、計算で扱う数値が、割合か率かの違いである。割合はある時点での指標を、率はある期間中での指標である(疫学で用いられる有病率は正確には「割合」だが、便宜的に「率」が使われている)。
〇まとめ
勉強していくにあたり紛らわしかったPrevalence ratioとRate ratioの違いは、取り扱う指標の定義の違いであった。